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NHK大河ドラマ『花の生涯』(井伊直弼役に尾上松禄)始まる | |
1 | 2011年、NHKは、大河ドラマの第50回をスタートさせました。つまり、今から50年前の1963年に第1回が放映されたことになります。立派な歴史です。 殆どの主役をこの「エピソード高校日本史」で扱っていますが、05回『三姉妹』の「おむら」、16回『黄金の日日』の「呂宋助左衛門」、最近では48回『天地人』の「直江兼継」などを扱っていません。大河ドラマに便乗するわけではありませんが、歴史の幅を広げるために、今後取り扱いたいと思います。 |
2 | 今回は、その前座として、大河ドラマの傾向を検証しました。 平均視聴率20%で線引きして、各年代を見てみました。 1963年から1972年までは、10回の内2回のみが20%以下です(20%)。 1973年から1982年までは、10回の内1回のみが20以%下です(10%)。 1983年から1992年までは、10回の内1回のみが20以%下です(10%)。 1993年から2001年までは、10回の内5回が20以%下です(50%)。 2002年から2010年までは、9回の内5回が20以%下です(56%)。 つまり、1963から1992年までは、「大河ドラマなくしてドラマなし」という人気でした。 1993年から2010年までは、「大河ドラマ」に頼らなくても、ゲームや携帯電話など多様な娯楽や色々なジャンルのTV番組が溢れています。 |
回 | 放送年 | 作 品 名 | 作/原作 | 主 役 | 主 演 | 視聴率(%) | ||
初回 | 最高 | 平 均 | ||||||
01回 | 1963 | 花の生涯 | 船橋聖一 | 井伊直弼 | 二代目尾上松緑 | 25.6 | 32.3 | 20.2 |
02回 | 1964 | 赤穂浪士 | 大仏次郎 | 大石内蔵助 | 長谷川一夫 | 34.3 | 53.0 | 31.9 |
03回 | 1965 | 太閤記 | 吉川英治 | 豊臣秀吉 | 緒形拳 | 35.2 | 39.7 | 31.2 |
04回 | 1966 | 源義経 | 村上元三 | 源義経 | 尾上菊五郎 | 32.5 | 32.5 | 23.5 |
05回 | 1967 | 三姉妹 | 大仏次郎 | おむら | 岡田茉莉子 | 27.0 | 27.0 | 19.1 |
06回 | 1968 | 竜馬がゆく | 司馬遼太郎 | 坂本竜馬 | 北大路欣也 | 22.9 | 22.9 | 14.5 |
07回 | 1969 | 天と地と | 海音寺潮五郎 | 長尾景虎(謙信) | 石坂浩二 | 23.5 | 32.4 | 25.0 |
08回 | 1970 | 樅の木は残った | 山本周五郎 | 原田甲斐 | 平幹二郎 | 27.6 | 27.6 | 21.0 |
09回 | 1971 | 春の坂道 | 山岡荘八 | 柳生但馬守宗矩 | 萬屋錦之介 | 19.1 | 27.5 | 21.7 |
10回 | 1972 | 新・平家物語 | 吉川英治 | 平清盛 | 仲代達也 | 17.3 | 27.2 | 21.4 |
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11回 | 1973 | 国盗り物語 | 司馬遼太郎 | 斎藤道三 | 平幹二郎 | 27.5 | 29.9 | 22.4 |
12回 | 1974 | 勝海舟 | 下母沢寛 | 勝麟太郎(海舟) | 渡哲也/松方弘樹 | 30.5 | 30.9 | 24.2 |
13回 | 1975 | 元禄太平記 | 南条範夫 | 柳沢吉保 | 石坂浩二 | 29.9 | 41.8 | 24.7 |
14回 | 1976 | 風と雲と虹と | 海音寺潮五郎 | 平将門 | 加藤剛 | 28.0 | 30.1 | 24.0 |
15回 | 1977 | 花神 | 司馬遼太郎 | 村田蔵六(大村益次郎) | 中村梅之助 | 16.5 | 25.9 | 19.0 |
16回 | 1978 | 黄金の日日 | 城山三郎 | 呂宋助左衛門 | 松本幸四郎 | 29.8 | 34.4 | 25.9 |
17回 | 1979 | 草燃える | 永井路子 | 源頼朝/北条義時 | 石坂浩二/松平健 | 27.9 | 34.7 | 26.3 |
18回 | 1980 | 獅子の時代 | 山田太一 | 平沼銑治 | 菅原文太 | 26.2 | 26.7 | 21.0 |
19回 | 1981 | おんな太閤記 | 橋田寿賀子 | ねね(北政所) | 佐久間良子 | 32.2 | 36.8 | 31.8 |
20回 | 1982 | 峠の群像 | 堺屋太一 | 大石内蔵助 | 緒形拳 | 31.3 | 33.8 | 23.7 |
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21回 | 1983 | 徳川家康 | 山岡荘八 | 徳川家康 | 滝田栄 | 34.9 | 37.4 | 31.2 |
22回 | 1984 | 山河燃ゆ | 山崎豊子 | 天羽賢治 | 松本幸四郎 | 30.5 | 30.5 | 21.1 |
23回 | 1985 | 春の波濤 | 杉本苑子 | 川上貞奴 | 松坂慶子 | 23.9 | 24.7 | 18.2 |
24回 | 1986 | いのち | 橋田寿賀子 | 高原未希 | 三田佳子 | 26.6 | 36.7 | 29.3 |
25回 | 1987 | 独眼竜政宗 | 山岡荘八 | 伊達政宗 | 渡辺謙 | 28.7 | 47.8 | 39.7 |
26回 | 1988 | 武田信玄 | 新田次郎 | 武田信玄 | 中井貴一 | 42.5 | 49.2 | 39.2 |
27回 | 1989 | 春日局 | 橋田寿賀子 | 春日局 | 大原麗子 | 14.3 | 39.2 | 33.1 |
28回 | 1990 | 翔ぶが如く | 司馬遼太郎 | 西郷隆盛 | 西田敏行 | 26.9 | 29.3 | 23.2 |
29回 | 1991 | 太平記 | 吉川英治 | 足利尊氏 | 真田広之 | 34.6 | 34.6 | 26.0 |
30回 | 1992 | 信長 | 田向正健 | 織田信長 | 緒形直人 | 25.4 | 33.0 | 24.6 |
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31回 | 1993 | 琉球の嵐 | 陳舜臣 | 啓泰 | 東山紀之 | 24.1 | 24.1 | 17.7 |
32回 | 1993 | 炎立つ | 高橋克彦 | 藤原経清/泰衡 | 渡辺謙 | 20.8 | 21.6 | 17.3 |
33回 | 1994 | 花の乱 | 市川森一 | 日野富子 | 三田佳子 | 17.9 | 18.3 | 14.1 |
34回 | 1995 | 八代将軍 吉宗 | ジェームス三木 | 徳川吉宗 | 西田敏行 | 22.1 | 31.4 | 26.4 |
35回 | 1996 | 秀吉 | 堺屋太一 | 豊臣秀吉 | 竹中直人 | 26.6 | 37.4 | 30.5 |
36回 | 1997 | 毛利元就 | 永井路子 | 毛利元就 | 中村橋之助 | 25.3 | 28.5 | 23.4 |
37回 | 1998 | 徳川慶喜 | 司馬遼太郎 | 徳川慶喜 | 本木雅弘 | 24.4 | 29.7 | 21.1 |
38回 | 1999 | 元禄繚乱 | 船橋聖一 | 大石内蔵助 | 中村勘三郎 | 25.0 | 28.5 | 20.2 |
39回 | 2000 | 葵 徳川三代 | ジェームス三木 | 徳川家康/秀忠 | 津川雅彦/西田敏行 | 22.6 | 22.6 | 18.5 |
40回 | 2001 | 北条時宗 | 高橋克彦 | 北条時宗 | 和泉元弥 | 19.6 | 21.2 | 18.5 |
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41回 | 2002 | 利家とまつ | 竹山洋 | 前田利家/まつ | 唐沢寿明/松嶋菜々子 | 26.1 | 27.6 | 22.1 |
42回 | 2003 | 武蔵 | 吉川英治 | 宮本武蔵 | 市川海老蔵 | 21.7 | 24.6 | 16.7 |
43回 | 2004 | 新選組! | 三谷幸喜 | 近藤勇 | 香取慎吾 | 26.3 | 26.3 | 17.4 |
44回 | 2005 | 義経 | 宮尾登美子 | 源義経 | 滝沢秀明 | 24.2 | 26.9 | 19.5 |
45回 | 2006 | 功名が辻 | 司馬遼太郎 | 千代/山内一豊 | 仲間由紀恵/川上隆也 | 19.8 | 24.4 | 20.9 |
46回 | 2007 | 風林火山 | 井上靖 | 山本勘助 | 内野聖陽 | 22.9 | 18.7 | 18.7 |
47回 | 2008 | 篤姫 | 宮尾登美子 | 天璋院篤姫 | 宮崎あおい | 20.3 | 29.2 | 24.5 |
48回 | 2009 | 天地人 | 火坂雅志 | 直江兼継 | 妻夫木聡 | 24.7 | 26.0 | 21.2 |
49回 | 2010 | 龍馬伝 | 福田靖(脚本) | 坂本竜馬 | 福山雅治 | 23.2 | 24.4 | 18.7 |
50回 | 2011 | 江・姫たちの戦国 | 田渕久美子 | 上野樹里 | 21.7 |
バブル景気とNHK大河ドラマの全盛期は一致 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 平均視聴率30%(3人の内1人が見る)出見ると、1963から1992年までは、7回あります。 1993年から2010年までは、1回のみです。 最高の39%は、1987年(武田信玄)と1988年(春日局)です。大河ドラマの黄金期は、1983(昭和58)年から1992(平成4)年です。30%以上が4回、20%以下が1回です。丁度、日本がバブル景気に沸いていた時代と一致します。バブル景気とは、「1980年代後半から1990年代初頭までに起こった経済現象および社会現象」のことです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 他方、『篤姫』(47回)や『龍馬伝』(49回)は大ブームでした。 書籍売り場や観光地は、『篤姫』や『龍馬伝』一色の感じでした。 しかし、『篤姫』平均視聴率は24.5%です。『龍馬伝』に至っては、何と18.7%で、20%以下でした。 しかし、下記の表(2011年2月1日から6日までの1週間分のぢラマ部門平均視聴率)を見ると、最高がNHK大河ドラマの『江・姫たちの戦国』で、22%です。11%でベスト10位入りです。 2010年代は、10%が境界線になるのでしょうか。 あまり、視聴率も意味をなさないということでしょうか。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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