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ノイシュヴァンシュタイン城 ワーグナーの歌劇

標高1000メートルの岩山に石灰岩でできた白い城なので
ノイ(新しい)シュヴアン(白鳥)シュタイン(石)
ニーベルングの指輪
 王の居間があったのは4階
控えの間
控えの聞の壁には「ニーベルングの指輪」が題材として描かれています。
ニーベルングの指輪」(Der Ring des Nibelungen)のあらすじを紹介します。
名前 役どころ
ヴェルグンデ     ラインの黄金を守る三姉妹
ラインの黄金
ワルキューレ
ジークフリート
神々の黄昏
ヴォークリンデ    
フロスヒルデ    
アルベリヒ   ニーベルング族の長
ヴォータン   神々の長
フリッカ     ヴォータンの正妻
フライア       フリッカの妹
ファーゾルト       巨人
ファーフナー     ファーゾルトの弟
ローゲ       火の神
エルダ     知恵の女神
ジークムント       ジークフリートの父
ジークリンデ       ジークムントの双子の妹
      ジークフリートの母
フンディング       ジークリンデの夫
ブリュンヒルデ   ジークフリートの妻
ヴァルトラウテ     ブリュンヒルデの妹
ミーメ     アルベリヒの弟
ジークフリート     人間の英雄
ノルン       エルダの娘
グンター       ギービヒ家の当主
グートルーネ       グンターの妹
ハーゲン       アルベリヒの子

『ラインの黄金』(Das Rheingold)
序幕
第1場
 地上の国では、ラインの黄金を守る3人の乙女が泳いでいる。そこへ、地底の国・ニーベルハイムからやって来たニーベルング族の長・小人アルベリヒが現れる。
 次の朝、3人の水の乙女は、「この黄金から指輪を鍛え上げた者は、世界を手に入れる。しかし、愛を断念した者だけが指輪を造ることができる」と口ずさむ。それを聞いた小人アルベリヒは、「愛などはいらない。世界を手に入れればどんな女でも思いのままだ」と言って、黄金を奪って逃走する。

第2場
 神々の長・ヴォータンは、巨人族に、妻フリッカの妹で美の女神・フライアを与える代わりに、居城ヴァルハラ(天上界)を建設させる。
 城を建てた巨人族のファーゾルドとその弟ファーフナーは、美の女神・フライアをもらいにやって来る。しかし、美の女神・フライアは、巨人族に身を捧げることを拒否する。ヴォータンの主神としての地位は、契約でなりたっているので、約束を破れば、王としての地位を失うことになる。
 そこへ、火の神・ローゲがやって来て、美の女神・フライアの身代として、ラインの黄金を提案する。火の神・ローゲの考えは、「ラインの黄金より作った指輪を手にした者は世界を手に入れる。しかし、愛を否定しなければならない」、つまり、美の女神・フライアを諦めるというものだ。
 この話を聞いた巨人族のファーゾルドらは、「指輪をとって来るまでフライアを人質とする」と連れ去る。
 美の女神・フライアがいなくなると、永遠の若さの源である黄金の林檎もなえ、神々も老いる。
 そこで、神々の長・ヴォータンは、火の神・ローゲと共に、地底の国・ニーベルハイムへ向かう。

第3場
 ニーベルング族の長・小人アルベリヒは、ラインの黄金で作った指環の力で地底の国・ニーベルハイムを支配している。
 神々の長・ヴォータンと火の神・ローゲは、ニーベルング族の長・小人アルベリヒの弟で鍛冶屋・ミーメの前に現れる。鍛冶屋の味方である火の神・ローゲに対して、鍛冶屋・ミーメは「兄のアルベリヒは、私たちをこき使い、変身頭巾・タルンカッペまで持っている」と訴える。
 そこで、火の神・ローゲは、ニーベルング族の長・小人アルベリヒに「その指輪を誰にも奪われず守ることが出来るのか?」と問う。小人アルベリヒは「私には、変身頭巾・タルンカッペがある。どんな姿へにもなれる」と答える。さらに、火の神・ローゲが「カエルになれるか」と問うと、小人アルベリヒは小さなカエルに変身する。その瞬間、神々の長・ヴォータンは、カエルを捕まえ、元に戻れないように変身頭巾を剥ぎ取る。

第4場
 天上界に連れて行かれたニーベルング族の長・小人アルベリヒは、神々の長・ヴォータンに自由を代償にラインの黄金と指環を奪われる。小人アルベリヒは、指輪にむけて、「おまえを持つ者に死を!」と呪詛をかけ、地底の国に去る。
 巨人族のファーゾルドらが美の女神・フライアを連れてやってくる。巨人族のファーゾルドは、美の女神・フライアと引き換えに黄金を手に入れる。さらに、巨人族のファーゾルドは、神々の長・ヴォータンのはめていた黄金の指輪も要求する。指輪に魅入られているヴォータンはなかなかそれを手放せない。
 そこへ、知恵の女神・エルダが現れ、ヴォータンに「呪われている指輪を手放さなければ、神々は黄昏ていくことになる」と警告する。
 神々の長・ヴォータンは、指輪を手放し、巨人族のファーゾルドから美の女神・フライアを奪い返す。巨人族は指輪を奪い合い、弟ファーフナーは兄ファーゾルドを叩き殺す。

『ワルキューレ』(Die Walkure)
第1幕 フンディングの家の中
 嵐の夜、フンディングの館に、炉辺に倒れこんでいた男が発見される。彼は、ヴェーヴァルト(苦しみを受ける者の意味で、本当はジークムント)で、神々の長・ヴォータンと人間の間に生まれたヴェルズング族の若者である。
 ヴェーヴァルトとフンディングの妻・ジークリンデは、互いに惹かれる。やがてフンディングが帰宅する。
 フンディングに尋ねられて、ヴェーヴァルトは、「父と狩りに出ている間に母は殺され、家を焼かれ、双子の妹を連れ去られた。森をさまよっていると父ともはぐれた。その後、フンディングの一族との戦いで武器も失った」と身の上話を語る。
 ジークリンデの夫フンディングは、その話から、ヴェーヴァルトが敵であること、ジークリンデが双子の妹であることを知る。そこで、フンディングは「今夜の宿は与えるが、敵同士ゆえに、明日の朝には決闘だ」と言い渡す。
 世界樹・トネリコ(ユグドラシル)の木を見上げたヴェーヴァルトは、幹からもれる光で、そこに隠されていた剣に気づく。フンディングの妻ジークリンデは、夫を眠り薬で眠らせ、ヴェーヴァルトのもとに来て剣の由来を語る。
 「私は略奪され、フンディングと結婚させられた日、謎の老人が現れて、世界樹・トネリコの木の幹の下に、あの剣を突き刺した。そして、『どんな男にも抜けないが、いずれ、その剣を引き抜く英雄が現れ、そなたはその腕に抱かれるだろう』」と。
 ヴェーヴァルトは、フンディングの妻ジークリンデを抱きしめながら、「父の名はヴェルゼ、私の名はジークムント(勝利の加護を受けた者)」「そのたこそ奪われたジークムントの双子の妹だ」と打ち明ける。
 ジークムントは剣を抜き、運命的な愛に従い、妹ジークリンデを妻とする。

第2幕 荒涼たる岩山
 神々の長・ヴォータンは、知恵の女神エルダとの間にもうけた9人の娘・ワルキューレ(戦乙女)に、「今日の決闘でヴェルズング族・ジークムントに勝利をもたらす」と伝える。
 そこへヴォータンの妻・フリッカ(結婚を守護する女神)が現れる。荒涼たる岩山に現れたフリッカは、神々の長・ヴォータンに、婚姻の神聖を守るためとして、「姦通の罪・近親相姦の罪」で、ジークムントの死を求める。さらに、ヴォータンの妻・フリッカは、夫・ヴォータンが不倫によってワルキューレ、さらに、人間との間にヴェルズング族のジークムントとジークリンデをもうけているとなじる。やむなく、ヴォータンはジークムントの死うぃ認める。
 ワルキューレの長女・ブリュンヒルデは、父・ヴォータンから「指輪の呪いによって黄昏へと向かう自分たちの運命を変えてくれる英雄を欲し、そのために人間との間に子・ジークムントを作った。今となってはジークムントを殺さねばならぬ」と聞かされる。
 ヴォータンの最愛の娘・ブリュンヒルデは、出会ったジークムントに「永遠の喜びの存在するヴァルハラ((天上界))に行くこと」を勧める。しかし、ジークムントは、「そこにはジークリンデは行けない」とその申し出を断る。相手のために命を惜しまない二人の愛の強さに心打たれたヴォータンの最愛の娘・ブリュンヒルデは、ジークムントを守る決意をする。
 そこで、神々の長・ヴォータンは、フンディングに加勢し、ジークムントの持つ剣を打ち砕く。その結果、ジークムントはフンディング剣で胸を刺される。同時に、フンディングもヴォータンの怒りに触れて命を落とす。
 神々の長・ヴォータンは、ジークリンデを連れて逃げ去った裏切り者のブリュンヒルデを、激しい怒りで追いかける。

第3幕 ブリュンヒルデの岩山
 神々の長・ヴォータンの怒りから逃れたブリュンヒルデは、ヴァルハラ(天上界)に駆け込み、妹たちに助けを求める。しかし、誰も力を貸さない。ジークリンデも死を望むが、ブリュンヒルデはジークリンデが身ごもっていることを告げ、お腹の子をジークフリート(勝利と喜びの人)と名付ける。
 神々の長・ヴォータンが近づいて来たので、ブリュンヒルデはジークリンデに、ヴォータンですら恐れて近づかない森に行くよう教える。ブリュンヒルデは、ジークリンデに砕けた剣(ノートング)の破片を渡し、「生まれた子がその剣を作り直し、戦うだろう」と語る。
 そこへヴォータンが現れ、ブリュンヒルデを神の座から追放して岩山に封じ込め、「そこで眠りにつき、誰であれおまえの眠りを最初に覚ました男のものとなる」と宣告する。
 ヴォータンは、眠れるブリュンヒルデを横たえて兜と盾で全身を覆い、火の神・ローゲに命じて岩山を魔の炎で包ませる。

大蛇となった巨人・ファーフナーを倒すジークフリート
『ジークフリート』(Siegfried)
第1幕 森の中の洞窟
 ニーベルング族の長・小人アルベリヒの弟・ミーメは、ジークリンデの息子・ジークフリートを育てるが、それは、大蛇に姿を変えた巨人が守るニーベルングの指環を取り戻そうと考えていたからだ。
 成人したジークフリートは、ミーメが渡す剣を一振りで折る。そして、ミーメに本当の親の話を聞かせるよう迫る。
 ミーメは「おまえの母はジークリンデという。森で倒れていたところを助けたが、子供を生むとすぐに死んだ。ジークフリートの名は、母親の遺言である、父親は殺されており、形見の剣だけが残されている」と。
 そこへ、神々の長・ヴォータンがやって来る。ヴォータンは、ミーメに「ヴェルズング族の英雄が地上にはびこる巨人族を倒すには、砕けた剣(ノートング)を鋳直さねばならない。それができるのは恐れを知らぬ者だけだ」と語る。
 小人・ミーメは、ジークフリートこそ恐れを知らぬ者だと気づく。ジークフリートは、自ら折れた剣を粉にして、炉で溶かし、鉄を鍛え始める。
 小人・ミーメは、ジークフリートを巨人・ファーフナーから指輪を奪うため、巨人・ファーゾルトの弟ファーフナーの洞窟へ連れて行こうとする。その後、毒殺して指輪を奪うために、小人・ミーメは、毒の飲み物を作る。

第2幕 巨人族ファフナーの洞窟
 神々の長・ヴォータンは、巨人・ファーフナーの洞窟をうかがっているニーベルング族の長・小人アルベリヒの前に現れた。小人アルベリヒは、「契約を破らず、英雄の手を借りて、指輪を取り戻したいのだろう」と語る。だがヴォータンは、アルベリヒとミーメに同士討ちをさせるつもりで、ミーメの企みを教える。
 やがて小人・ミーメは、砕けた剣(ノートング)をたずさえたジークフリートを連れて、巨人・ファーフナーの洞窟の前に現れる。ミーメは、ジーフクリートとファーフナーが相打ちになることを願って、「お前は恐れを知るだろう」と言い残し、逃げ去る。
 恐れを知らぬジークフリートは、小鳥たちに呼びかけるつもりで角笛を吹くと、指輪の魔力で大蛇に変身していた巨人・ファーフナーが現れて、ジークフリートを呑み込もうとする。しかし、ジークフリートは、砕けた剣(ノートング)で、大蛇の心臓を一突きして殺害する。手についた火のような血をなめたジークフリートは、突然、小鳥たちの声が聞き分けられるようになる。
 小鳥は「指環と変身頭巾は洞窟のなかにある」と歌う。それを聞いたジークフリートは洞窟に入って指環と魔法の変身頭巾を手に入れる。
 さらに、小鳥は「ミーメの毒に気をつけろ」と歌う。それを聞いたジークフリートは、やって来たミーメを砕けた剣(ノートング)で倒す。ジークフリートは、小人・ミーメを黄金の眠る洞窟に放り込み、巨人・ファーフナーの死体で入り口を塞ぐ。
 すると、小鳥は「高い山の上で炎に包まれて眠るブリュンヒルデを起こして花嫁にせよ」と歌う。それを聞いたジークフリートは、ワルキューレの山に向かう。

第3幕 岩山の麓の荒涼たる場所
第1場 荒野
 岩山のふもとの荒野に、神々の長・ヴォータンが現れ、知の神エルダを起こして世界の行く末について問う。だが、エルダは問いに答えず、ひたすら眠りたいと願う。ヴォータンは、「神々に終焉の時が近づいており、その後を継ぐのはジークフリートだ」と予言する。
 ジークフリートがやって来て、ヴォータンと闘う。ヴォータンの槍は、契約(聖なるルーネ)が記してあり、ジークフリートの父親のノートングを砕いたものだった。ジークフリートは、ヴォータンが父の敵だと知り、砕けた剣(ノートング)を振るってヴォータンの槍を打ち砕く。
 ジークフリートは、さらに、岩山へと進んで行く。

第2場 岩山
 ジークフリートが岩山の炎をかいくぐって進むと、ブリュンヒルデが眠る岩山に出る。ジークフリートが「恐れ」つつ、兜と鎧をはぎ取ると、美しい顔と姿が現れた。ジークフリートは、美しい顔を見ておもわず口づけをする。目を覚ましたブリュンヒルデはジークフリートと見つめ合い、互いの運命を確かめる。

『神々の黄昏』(Gotterdammerung)
序幕 ワルキューレの岩山
 ヴァルハラ(天上界)では、知恵の神・エルダの3人娘ノルン(運命の女神)が集まる。3人娘ノルンは、過去・現在・未来を司る。
 神々の長・ヴォータンは、契約のルーネが刻まれた槍をつくるため、世界樹・トネリコの枝を折る。そのために世界樹・トネリコも、知恵の泉も枯れる。
 契約のルーネが刻まれた槍がジークフリートに折られる。ヴォータンは、神々の世界を焼き尽くすために、腐りかけた世界樹・トネリコを切り刻み、薪としてヴァルハラ(天上界)の周りに積み上げる。
 槍の魔力によって繋ぎ止められていたローゲは自由となる。ヴォータンは、槍の破片をローゲに突き刺し、「そなたの胸からは炎が噴き出し、ヴァルハラ(天上界)は燃え尽きるだろう」と宣告する。
 もはや告げられる未来のなくなったことを知った3人娘ノルンは、ニーベルハイム(地底界)に住むエルダのもとへ去って行く。
 人間社会(地上界)では、ジークフリートとブリュンヒルデが岩山から出て来る。ブリュンヒルドは神力を失い、もはやただの人間である。ジークフリートは神々の知恵を授けてくれたブリュンヒルデに指輪を与える。妻ブリュンヒルデは、愛馬グラーネを夫ジークフリートに与え、ジークフリートを見送る。

第1幕
第1場 ライン河畔のギービヒ家の館
 ギービヒ家の当主・グンターと妹・グートルーネは、結婚について、グンターの異父弟・ハーゲン(父はアルベリヒ)と話し合う。ハーゲンは指輪を得て世界支配の野望を持つ。異父弟・ハーゲンはグンターにはブリュンヒルデを、グートルーネにはジークフリートを勧め、自分に策略があると語る。

第2場 ライン河畔のギービヒ家の館
 ジークフリートは、ライン川を遡ってギービヒ家の館に着く。ギービヒ家の当主・グンターは、友情を表明する。グンターの異父弟・ハーゲンの巧みな話術に、ジークフリートは大蛇から変身頭巾と指輪を奪ったことを語る。グンターの妹・グートルーネが惚れ薬の入った酒を持って来る。
 ハーゲンは、惚れ薬の入った酒をジークフリートに飲ませる。惚れ薬を飲んだジークフリートは、美しいグートルーネに結婚を申し込む。グートルーネの兄のグンターは、「ブリュンヒルデを連れて来てくれば、妹を嫁のやろう」と約束する。
 ジークフリートは、「私しかしかブリュンヒルデを連れ出せない。変身頭巾でグンターに変身して願いを叶えよう」と応える。

第3場:ブリュンヒルデの岩山
 炎の岩山でブリュンヒルデが指輪に見入っている。そこへ、妹のワルキューレ・ワルトラウテが来て、姉のブリュンヒルデに、「父ヴォータンは、早く指輪をラインの娘たちに返して呪いの重荷から救われることを願っている」と忠告する。
 しかし、姉のブリュンヒルデは、「この指輪はジークフリートの愛の証だから、たとえヴァルハラががれきになろうとも、私は手離さない」と忠告を拒否する。
 やがて、変身頭巾でグンターの姿に変身したジークフリートが現れ、ブリュンヒルデに「私(グンター)の妻になって欲しい」と迫る。神性を失っていったブリュンヒルデは、指輪の力で身を守ろうとするが、夫には効果がない。ジークフリートは、ブリュンヒルデから指輪を奪い取る。

第2幕
第1場 ライン河畔のギービヒ家の館
 小人・アルベリヒは、神々が滅んだ後、息子ハーゲンと2人で「世界を支配しよう」と提案する。しかし、グンターの異父弟・ハーゲンは、「ジークフリートより力がある者はいない。しかし、知恵を働かせば何とかなる」と言って、父・アルベリヒには応じない。
 アルベリヒは、「父に忠実であれ」と息子ハーゲンにいい残して姿を消す。

第2場 ライン河畔のギービヒ家の館
 ジークフリートは、グンターの異父弟・ハーゲンとグンターの妹グートルーネに、「約束は果たした」と語る。ジークフリートの花嫁になろうとしているグートルーネは、ジークフリートが一夜をブリュンヒルデと過ごしたことを気にする。ジークフリートは、「岩山の炎の勢いが弱まった時、グンターと入れ替わった」語り、グートルーネを安心させる。

第3場 ライン河畔のギービヒ家の館
 グンターの異父弟・ハーゲンは、一族郎党を集め、総領グンターが妃を迎えることを告げる。グンターとブリュンヒルデを乗せた船が近づく。

第4場 ライン河畔のギービヒ家の館
 グンターは、ブリュンヒルデを皆に披露する。ジークフリートとグートルーネも結婚を宣言する。
 ブリュンヒルデは、ジークフリートの指にはめられた指輪をみて驚く。ブリュンヒルデは、自分から指輪をもぎ取ったのがグンターではなく、ジークフリートであることを知る。
 ジークフリートは、砕けた剣(ノートング)に誓いを立てると言う。ハーゲンも自分の槍に誓いを立てると言う。すると、ブリュンヒルデは、ハーゲンの槍の先をつかんで、ジークフリートの偽りの誓いをとがめ、「彼を切り裂いてくれ」と叫ぶ。
 しかし、ジークフリートは、グートルーネと共に館の中へ入って行く。

第5場 ライン河畔のギービヒ家の館
 ハーゲンは、ブリュンヒルデに、裏切ったジークフリートへの復讐を相談する。逆上しているブリュンヒルデは、「ジークフリートの唯一の急所は背中にある」と教える。

第2幕 グンターの館
 父・小人アルベリヒが息子ハーゲンを訪れる。アルベリヒは、ハーゲンに「指輪を奪え。ともに世界を支配しよう」と再度提案する。指輪は、その価値を知らぬジークフリートの手にある。価値を知らないジークフリートには指輪の呪いが利かないのだ。
 めでたく、グンターとブリュンヒルデ、ジークフリートとグートルーネ、2組の結婚が行われる。
 ハーゲンとグンターは、ジークフリートの殺害を計画し、ジークフリートを狩りへと誘い出す。

第3幕
第1場 森や岩のあるライン川岸
 3人のラインの娘たちは、ラインの黄金が盗まれたと嘆いている。そこへ、グンターらと狩に出ていたジークフリートが現れる。
 ラインの娘たちは、ジークフリートの指輪を見て、「指輪をもつ者は死に見舞われる定めであり、今日のうちに誰かによって殺される。ラインの流れだけが呪いを浄化する」と告げる。だが、ジークフリートは何の恐れももたず、「そんな呪いがあるのなら砕けた剣(ノートング)の剣で断ち切ればいい」と反論する。

第2場 森や岩のあるライン川岸
 ラインの川岸のジークフリートに、グンター・ハーゲンがやって来て、「何か獲物は見つかったか」と問う。ジークフリートは、川に小鳥がいて、「『おまえは今日殺されるだろう』と歌っていた」と告げる。「どうやって鳥の言葉が分かるようになったのか」と問う。ジークフリートは、「大蛇を倒したり、ミーメを殺した」などを語る。
 やがて、ジークフリートは、ハーゲンから「過去を思い出せる霊薬」を受け取り、飲み干す。ハーゲンは、惚れ薬の魔力を消して、ブリュンヒルデとの過去を蘇らせようしたのです。ジークフリートは、炎の中のブリュンヒルデを目覚めさせて抱擁したことを思い出す。ハーゲンは、槍で、思い悩むジークフリートの急所の背中を突き刺す。
 瀕死のジークフリートは、「ブリュンヒルデ!」と叫び、死ぬ。

第3場:ギービヒ家の広間
 ジークフリートの亡骸が帰館する。これをを見たグートルーネは、兄グンターに「あなた方が殺したの?」と詰問する。兄グンターは、「いやハーゲンだ」と告げる。弟ハーゲンは、「誓いを破った者に死は当然である。その報酬として指輪をいただきたい」と言う。グンターは、「妻グートルーネが継ぐべきだ」と主張する。
 ハーゲンは、グンターを一刀のもとに斬り殺し、指輪を奪おうとするが、指輪が脱げない。
 そこへブリュンヒルデが現れ、「自分こそジークフリートと永遠の契りを交わした妻である」と告げる。グートルーネは、ジークフリートに記憶を消す薬を飲ませ、自分に誘惑させたハーゲンの企みを知り、自分が利用されていただけなのだと知る。
 ブリュンヒルデは、ジークフリートが亡くなった後は、指輪をラインの乙女に返すことを望む。
 ブリュンヒルデは、ジークフリートを浄化させるために、炎の薪に身を投じる。
 やがて、ライン川は大洪水となる。指輪を得たラインの乙女たちが姿を現す。ハーゲンは指輪を求めて流れに跳び込むが、ラインの乙女たちに水底に引き込まれる。黄金の指輪もライン川の底に沈む。
 天上界では、ヴァルハラ城が炎上し、神々も炎に包まれる。
食堂
食堂のテーブルの上には、大理石の台に載った竜と闘うジークフリートの像が置かれている。
ノンシユヴァンシュタイン城内の写真については、『ワールドガイド・ドイツ』(JTB)などを参照しました。
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