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有名人が高校生に贈る 『心に残る一冊の本』

凡   例


加太こうじ氏の『蘭学事始』と 桂 米朝氏の『正岡子規集』



テキスト:037 *加太こうじ(大7)評論家
  杉田玄白「蘭学事始」(岩波文庫※)
『当今、学問が就職における資格を得るための手段と化したようなあり方に対して、この一書は、学問の真のあり方を教えてくれる。岩波文庫で安価に入手できることも当今向きである』

略歴など:大正7年1月11日生まれ。14歳で紙芝居作家となり,「黄金バット」などのヒット作をうみだした。紙芝居の衰退で著述業に転じ,江戸の下町風俗や芸能を題材とする著作や文明批評で注目される。昭和55年「思想の科学」社長兼編集長。61年日本福祉大教授。平成10年3月13日死去。80歳。東京出身。太平洋美術学校卒。本名は加太一松(いちまつ)。著作に「紙芝居昭和史」など。
(出典:日本人名大辞典, ジャパンナレッジ)


テキスト:038 *桂 米朝(大14)落語家
  「正岡子規集」(改造社※)
『一冊の本をあげるのはむつかしいことですが、中学の二、三年生によんで、長患いの病床にありながら、烈々たる気塊の精神のようなものに強く打たれ、健康な我が身を恥じたものです』

略歴など:上方(かみがた)の落語家。本名中川清。大東文化学院に学ぶ。1947年(昭和22)に4代目桂米団治(よねだんじ)に入門し、米朝を名のる。米朝の名は3代目で、初代は2代目米団治、2代は3代目米団治の前名。上方落語の発展のため精力的な活動を続ける優れた口演者であるとともに落語研究家としても第一級。芸術祭賞、芸術選奨文部大臣賞など数々の賞を受ける。『米朝落語全集』『米朝上方落語選』『落語と私』『上方落語ノート』など著書も多い。96年(平成8)重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。2002年文化功労者。
(出典:日本人名大辞典, ジャパンナレッジ)