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有名人が高校生に贈る 『心に残る一冊の本』

凡   例


高橋碩−の『福翁自伝』と高畠通敏「流民の都」



テキスト:*高橋碩−(大2)歴教協委員長 歴史学  
 「福翁自伝」(岩波文庫)
  『福沢諭吉が自らの生立ち、そして幕末から維新への変動のなかで、いかに新しい時代への展望をも ち、行動によってそれを貫いたかを平易なことばで、ときにユーモラスに、感動的に語っている。私の中学時代の愛読書でした』

略歴など:東京府に生まれ、三多摩壮士の母方の祖父の下で小学生時代から『日本外史』の素読などに親しむ。暁星中学校を経て昭和5年慶應義塾大学文学部予科、昭和8年(1933年)に文学部国史学科に入学し幸田成文の薫陶を受ける。昭和11年(1936年)に大学院に籍を置く傍ら、錦秋高等女学校で文法を担当。昭和16年(1941年)に暁星中学校教諭となり、昭和17年(1942年)に召集。一度解除されるが、昭和20年(1945年)に再度招集を受け、中国に出征した。
戦後は、学界活動に復帰し昭和24年(1949年)に歴史教育者協議会を設立して、書記長に就任。のち委員長。次いで日本学術会議会員、東京平和委員会会長となり、実践的な古文書解読教育に力を注いだ。今宮新のもと、会田倉吉と共に福沢諭吉の関連文献調査にも参加している。


テキスト:*高畠通敏(昭8)立大教授 政治学  
  石牟礼道子「流民の都」(大和書房)
  『同じ著者による「苦海浄土」も感動的でしたが、この本は、さらに、その背景を思想的に説き明か しています。70年代以降の日本を考える際の原点のひとつを照射している本だと思います』

略歴など:昭和後期-平成時代の政治学者。
昭和8年11月16日生まれ。43年立大教授。専攻は計量政治学。思想の科学研究会の「転向」研究に参加し,のち同会事務局長。六○年安保闘争では「声なき声の会」をつくり,草の根民主主義をすすめた。市民を主体とする政治学をめざした。平成16年7月7日死去。70歳。東京出身。東大卒。著作に「政治の論理と市民」「自由とポリティーク」など。

”たかばたけ-みちとし【高畠通敏】”, 日本人名大辞典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2013-04-18)