V11&VISTA

VISTAの機能と問題点(03)
問題のWINDOWS-VISTA退場→WINDOWS7登場
マイクロソフト日本法人・樋口泰行社長「ビスタはメーカーの論理で製作」
↑ 簡単にファイルの選択ができないビスタ
 私は、相生市の小学校でホームページを担当している先生方の研修を依頼されました。
 パソコンはビスタを使っているといいます。相生市の定期講座では、XPを推奨して使っていますが、いずれXPのパソコンも購入できなくなるので、試験的にビスタのパソコンを購入しました。
 私は、ウィンドウズ3.2からウィンドウズを愛用してきましたが、3.2からXPまでの設計者は同じなのか、使い勝手も継承されているし、軽くてシンプルなウィンドウズ95のソフトも互換性を保持していたので、定期講座や研修で困ることはありませんでした。
 しかし、ビスタは設計者が変わったのか、使い勝手がまったく継承されていません。XPで使えたソフトもかなり使えなくしており、新たに購入せざるを得ませんでした。
 当時から、私は、ビスタを欠陥商品と断定してきました。
 2009年10月22日から発売のウィンドウズ7の発売理由を聞き、私の断定が正しかったことが証明されました。
自信のない時は、聞きまくる→OSに対する企業の慎重さ!!
(1)私は、パソコンのOSに関しては、発売後1年を経過して、検討することにしています。
(2)しかし、企業のシステム関係者は、OSを移行すると何億という投資が必要なので、もっと慎重です。「評価が定まるまで、移行しない」と断言します。
(3)実際、赤穂市のアース製薬(大塚製薬)、相生市のIHI、姫路市の東芝、たつの市のヒガシマル醤油などの関係者に聞くと、まだXPでした。懇意にしている電気屋さんは「企業はほとんどXPですよ」という話でした(ビスタ発売1年後の2007年)。
(3)ある市の教育委員会の話です。全教員にノートパソコンを配布する計画が実施されました。A小学校には新発売のビスタを配付しました。しばらくして、B小学校にはXPを配付しました。ビスタの重いとか使い難さが指摘されたからです。
(4)その頃、私は市担当の責任者(3人)とある事業で話し合う機会がありました。ビスタの問題点を指摘したのですが、「新しいものでなければ、義会で承認されない」という返事でした(2008年8月)。こんな安易な意図で税金が使われるとしたら、納税者として耐えられません
(5)私は、私の体験や企業のシステム担当者の話をしましたが、結局、ビスタが残りの学校の教員に配布されました(2009年8月)。
(6)OSに対する企業の慎重さにはびっくりしました。税金で賄うからなのか、行政の情報収集能力の鈍感さには開いた口がふたがりません。他の意見を拒絶する体質を感じました。
 欠陥品とされたビスタをウインドウズ7に無償で移行できるのでしょうか。また、税金が投入されるのでしょうか。納税者として耐えられません

「ビスタのような失敗は繰り返さないか」ウィンドウズ担当副社長ブルックス氏に聞く

(1)Q「ウィンドウズ7を発売した理由は?」
  A「この2年間にユーザーやメーカーに聞いた結論だ」
(2)Q「ビスタの失敗があったからですか?」
  A「とにかくユーザーの声をよく聞く、ということがビスタの教訓の一つだ」
(3)Q「ウィンドウズ7は、普及するでしょうか?」
  A「まだユーザーが多いウィンドウズ]Pは、発売から10年近くたち、さすがに古くなっている」
(2009年10月24日朝日新聞)

VISTAの問題点(1)━選択した列の幅←クリック

マイクロソフト日本法人・樋口泰行社長「ウィンドウズ7はユーザーの声素直に追求」
 日本法人・樋口泰行社長は以下のように述べています(2009年10月16日付け朝日新聞)。
 セブン(ウィンドウズ7)は、メーカーの論理でなく、ユーザーの声を聞いて作ったOS。ビスタでセキュリティーに焦点を当てたので動作が重くなったが、セブンは軽い、速いを追求した。個人的にはタッチ機能も大きなステップアップだと思っている。
 OS作りは5千人くらいがかかわる一大プロジェクト。それだけに、メーカー側の論理でやってきた面はある。反省を込めて、素直にユーザーの求めるものを追求した。

写真(1)
 写真(1)は、マイクロソフトが説明する「OSの比較」画面です。
(1)起動時間は「Vista」が「XP」より約8秒遅く、「7」が「XP」より約3秒早いというものです。
(2)シャットダウンの比較も出していますが、利用する者には、あまり参考になりません。
 MS(マイクロソフト)がまずアピールするのが、セブンの作動スピードの速さだ。起動時間は前作のビスタ
の40秒から29秒に短縮。インターネットの閲覧ソフトが立ち上がるまでの時間もビスタのほぼ半分だ。
 これはビスタが遅いのであって、XPとはほとんど変わりません。

写真(2)
 写真(2)は、「タッチパネル機能」画面です。
(1)マウスでなく、指で画面に触れて操作することをタッチパネル機能といいます。
(2)以前も、流行しましたが、すたれました。その理由は、人間が触った画面が汗や手脂(あぶら)などで汚れ、不潔だったからです。自分の指による画面の汚れは許せても、他人が触って汚れた画面に我慢が出来ない人が多かったのです。
 一時、すし屋さんにタッチパネル式のレジスターが並んでいたことがありました。今は見かけませんね。
 マイクロソフトは次のように説明しています(2009年10月16日付け朝日新聞)。
 もう一つの売り物は、タッチパネル機能を標準装備したことだ。パソコンがタッチパネル対応なら、画面に指で触れるだけで写真データを動かしたり、音楽を再生したりできる。

電子情報技術産業協会調べ
業界「起爆剤に」
 電子情報技術産業協会調べによると、パソコンの出荷台数を見ると、ビスタの発売以後、2009年以後、前年度を上回った月はありません。メーカーにとって、ビスタから脱皮して新しいOSが熱望されていることが分かります。
 不況で販売の鈍化に悩むパソコンメーカーは、セブンの登場を販売てこ入れの材料にしたい考えだ。PC低価格化で方針転換をはかる各社はこぞって対応商品を投入。ソニー、富士通は一部の機種でタッチパネル対応機種を22日に発売するぼか、NECも投入する。ソニーのVAIO事業本部の赤羽良介副本部長は「パソコン市場全体の盛り上がりを期待している」と話す。
 MSはこれまで、新作OSを出すたびに機能を向上させてきた。それに伴い、ユーザーはパソコンの高度化を迫られ、買い替え需要を堀起こすことになった。セブンはパソコンのCPUやメモリーの大容量化をしなくても、スムーズに使えるという(2009年10月16日付け朝日新聞)。

 パソコンメーカー各社は市場活性化の「起爆剤」になると期待し、年末に向けて「7」搭載の新製品を相次いで投入する。
 マイクロソフト日本法人の樋口泰行社長は「業界全体で市場を盛り上げたい」と意気込む。「7」は現行の「ビスタ」を改良したOSで、動作の遅さを改善。これまでのOSとの互換性も高く、画面を直接触ってパソコンを操作するマルチタッチ機能にも対応した(神戸新聞2009年10月18日付け)。

 07年発売の前作「ビスタ」は、安全性を重視した結果、大容量メモリーが必要で動作も遅いと不評だった。このため、01年発売の前々作「XP」からの移行に失敗、パソコンの多くにまだXPが使われている状況だ。
 MSはセブンで安全面の機能を向上させつつも、ビスタの反省を生かし、常時作動するプログラムを減らして低価格パソコンでもスムーズに使えるようにした(2009年10月22日付け朝日新聞)。

*解説:売れない最大の原因を動作が重いと規定しています。じゃない!!、操作性が継承されていないことが最大の原因で、使いにくいから、10年前のXPを支持しているのです!!
切り替えを急ぐ必要がない
 それでも切り替えを急ぐ必要がないというのは、「7」でなければ動かないアプリケーションソフトや周辺機器がまだないからです(2009年10月17日付け朝日新聞)。

新しいウィンドウズ7の発売、楽しみ?
 朝日新聞が「新しいウィンドウズ7の発売、楽しみ?」と題して、5866人からアンケートをとりました。私もその1人です。
(1)「いいえ」が68%、「はい」が32%でした。
(2)「いいえ」と答えた人の2646人が「使っているパソコンの機能で十分」、317人が「メーカーに買わされている気がする」と答えました。
(3)「はい」と答えた人の768人が「使っているOSより機能が向上している」、437人が「パソコンの買い替え時期」と答えました。

メーンで使っているパソコンのOSは何ですか(2009年10月3日現在)
 朝日新聞のアンケートに5866人がアンケートをとりました。私もその1人です。
ウィンドウズXP ウィンドウズビスタ それ以外のウィンドウズ マックOS わからない
63% 29% 4% 3% 1%
 ウィンドウズビスタは2007年1月30日に発売されました。マイクロソフトの代表執行役社長のDarren
Huston氏は、「Vistaの登場で、コンテンツの幅が広がる。画像や音楽などのコンテンツのデジタル化が進む中、Vistaを通じて大きな変化が起こる」とし、Windows本部本部長のJay Jamison氏は「Vistaは今までのWindowsのどのリリースよりも使いやすく、安全に、そして楽しくなった」とアピールした。
 Huston氏は、「Vistaは、WindowsXPの2倍、そしてWindows95の5倍は売れるだろう」と意気込んでいるとあります。
 ウィンドウズXPは2001年10月25日に発売されました。米Microsoftのビル・ゲイツ会長は,「DOS世代に終止符を打つ」と語りました。
 1981年にMS-DOSが登場しました。その後、ウィンドウズ3.2、95、MEと20年間もMS-DOSの機能が受け継がれてきましたが、XPの登場でMS-DOSの機能と完全に縁を切ったという意味です。
 それでも、使い勝手は、受け継がれてきました。
 その使い勝手の良さが、発売後8年たっても支持者が多い理由です。

パソコンは、メーカーに踊らされず、使う人の立場で選びましょう
(1)動画の作成に関しては、XPの出現で、大いに助かりました。
(2)ホームページなどに関しては、ウィンドウズ95で大丈夫でした。
(3)一太郎・ワードに関しては、ウィンドウズ98以降、重くて使い物にならず、以後使用せず。
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