お品書きが目に付く(写真提供:くいしん坊) | 赤穂城本丸門 |
丸山利一郎画・書 |
品があって味わい深い。 月代わりのお品書きが厨房の背面に所狭しと張ってある (左が丸山さんの動画忠臣蔵のタイトル文字)。見ているだ けで料理を思い浮かべる力を持っている。 丸山さんは店の近くの赤穂城をよく散歩するという。城の 花や葉っぱの色の変化を見て、新しい料理が次々と浮 かんでくるという。「来月のメニューを考えるのが楽しい」と も… | |
この丸山さんの話から想像(imagination)と創造(creation)がよく分かる。丸山さんの頭の中には既に色や 形や味が様々に、しかも膨大にストック(蓄積)されている。この蓄積にはご本人の努力や関心によって学習 された部分と、もって生まれた才能の部分とがある。この蓄積に新しい要素であるα(アルファ)部分をプラ スさせることで、頭の中に新しい料理が想像される(image)。 頭の中のimaginationの色・形・味に似せて、目で見たり、手に触ったり、食べたりできる様に具体化する。 この作業がcreateなのである。まさに料理は総合芸術であると実感させられた。 忠臣蔵のホームページでも次々とイメージが生まれてくる。それを具体化するために技術を磨くが、イメー ジ(imagination)と実現したもの(creation)との間には差がありすぎる。美的センス(学習しても克服できない 才能)の壁がたちはだかる。これが苦悩であり、これを私流に解決できたときに新たなる喜びがある。 私は総合芸術として動画忠臣蔵を発信している。ナレーションがいる、BGMがいる、季節をあらわす花 がいる、絵がいる、模写絵がいる、ビデオ画像がいる。これを編集するには膨大なエネルギーを必要とする が自分のイメージにより近い世界が創造できる。 丸山さんとその料理に出会うたびに新しい発見をし、さらなる意欲を得て、店を出る私であった。 |