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神戸新聞|姫路・西播磨|赤穂義士に魅せられ50年 研究成果、DVDに

約50年の「集大成」として、赤穂義士の研究をまとめた有政さん=相生市山手2
 50年近く取り組んできた赤穂義士の研究成果を、元高校教諭の有政(ありまさ)一昭さん(67)=相生市山手2=が「忠臣蔵 人気の秘密に迫る」(25分)と題した映像にまとめた。約10年前から定期的に発信している自身のホームページ(HP)をもとに作製。有政さんは「観光PRや郷土学習に役立てて」と話している。(中西幸大)
 有政さんは赤穂市有年地区出身。忠臣蔵があまり好きではなかったが、約五十年前、「忠臣蔵に関する史料は日本の思想史である」と書かれた岩波新書と出合い、見方が変わった。
 義士の書簡など史料を読むほど、言葉がぶれない大石内蔵助のリーダーとしての資質、浅野家に捨て身で応える家臣団の生きざまなど、史実としての忠臣蔵に心を奪われた。また、後世になっても何度も芝居になるなど、根強い人気も探求心をかき立てたという。
 教諭として西播磨各地の教壇に立ちながら研究。赤穂高校勤務だった二〇〇二年に同校写真部の生徒と一緒に忠臣蔵のPRビデオ(五十三分)を製作。一九九八年からは自身のHPで毎月十四日、「忠臣蔵新聞」として研究のまとめを発表し、今月で二百九十二号を達成した。
 今回の映像はこの新聞をまとめたもので、歴史史料やイラストによる場面再現、二十三都府県で撮影した義士の墓や位牌(いはい)の画像を使い、事件の発端から義士の切腹までを紹介。家族や知人の協力で、音楽やナレーションも加えた。
 有政さんは「忠臣蔵新聞はまだ更新するつもり。今後、後世の反応などをまとめた続編も考えたい」と話している。
 作品は赤穂市の観光担当者や赤穂、相生両市内の公民館、学校にDVDなどに記録して配る予定。
(3/25 10:34)
神戸新聞(2009年3月25日)サイト版

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