1701年3月29日発行(第089号)
赤穂より緊急報告
大石内蔵助さん(長安雅山画) |
3月20日(赤穂支局発)城地没収を聞き、餅つき喜ぶ赤穂藩の藩札引替え(六分替え)が大混乱のうちに始まりました。 赤穂の人は「赤穂の政務を大野さんが上官として全てをとりしきり、酷く税をとりた てたので我慢できなかった。そうこうしている間に刃傷事件がおきて、城を没収され るにことになったので、私たちは大いに喜んで餅などをついて大賑いをした」と語っ ていました。 内蔵助さんの登場に感激そこへ大石さんが出てきて政務を行うようになり、困った時に赤穂藩が借りてい た金銀を皆に返済したので、赤穂の人は大変驚いて「赤穂藩にこのような立派な ことをする人もいたのか」と考えを改めたということです。 参考文献「或人曰く、赤穂の政務、大野氏上席にして、よろづはからひしほどに、民その聚斂にたへず。しかる間、事おこりて城を除せらるるに及びしかば、民大いに喜 び、餅などつきて賑はひしに、大石氏出て来て事をはかり、近時、不時に借りとら れし金銀など、皆それぞれに返弁せられしかば、大いに驚きて、この城中にかや うのはからひする人もありしやと、面(おもて)をあらためしとかや云々」 |
出典 伴蒿蹊『閑田次筆』(これは「後世の聞き書き」で随筆です) |