home back next

元禄14(1701)年9月18日発行(第116号)

忠臣蔵新聞

大高源五さんを派遣する前に
重臣の原惣右衛門さんらを派遣

逆に説得されていた事実が発覚

原惣右衛門さん 潮田又右衛門さん 中村勘助さん
9月18日(東京本社発)

急進派説得のため原さんらを派遣するも、
江戸の空気に触れ説得されてしまう


 前回、理論家の大高源五さんが江戸の空気と堀部安兵衛さんらの熱気に接して急進派に説得されてしまったと報告しましたが、最近になって以前にも説得された長老的な人たちがいたということが発覚しました。

 それは次のような内容です。
 大石内蔵助さんは堀部安兵衛さんらの手紙を読んで、「勝手に討ち入りを計画して失敗すれば仇討ちどころか、笑いものになる」と心配し、江戸急進派を説得するために原惣右衛門さん(54歳)・潮田又之丞さん(33歳)・中村勘助さん(46歳)を江戸に派遣しました。

 ところが逆に3人は江戸の空気にふれて、堀部安兵衛さんらに説得されてしまいました。

急進派説得のため、再度大高さんらを派遣

9月18日
 大石内蔵助さんは原さんらが逆に説得されたのを知り、再度進藤源四郎さん(51歳)・大高源五さん(30歳)を江戸に派遣することになったのです。

 前回の記事はこの続きとなります。

 それにしても江戸の雰囲気にはすさまじさを感じます。江戸の庶民のこのエネルギーは、貨幣改鋳によるインフレーションと生類憐みの令による非人間的な扱いに対する不満から発せられているように思います。
参考資料
『忠臣蔵第三巻』(赤穂市発行)
渡辺世祐著『正史赤穂義士』(光和堂)
飯尾精著『実録忠臣蔵』(神戸新聞総合出版センター)
木像彫刻(赤穂市大石神社蔵)

index home back next