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元禄14(1701)年12月25日発行(第118号)

忠臣蔵新聞

「下手な大工は事を急ぐ」
内蔵助さんは安兵衛さんの機先を制す

内蔵助さんの本心は「浅野家再興を見届ける」

内蔵助さんの守り本尊 大石内蔵助さん 堀部弥兵衛さん

内蔵助さん、上野介さんの隠居を
幕府が認めたことを知る

12月23日(京都支局発)
 本日、内蔵助さんは原惣右衛門さんと大高源五さんからの手紙を受け取りました。
 そこで吉良上野介さんの隠居と義周さんの家督相続が吉良家の願いの通り幕府により認められたことを知りました。
 と同時に堀部安兵衛さんの動きも知りました。
史料

 「彼御方去ル十一日御隠居御家督無相違被申付一段ノ首尾ニ御坐候、一昨日承候」

内蔵助さんは弥兵衛さんに手紙を出す
安兵衛さんの動きを封ずる目的
「下手な大工どもが事を急がないように」
「浅野家再興を見届けるまでは待つ」

12月25日(京都支局発)
 大石内蔵助さんは原さんらの手紙により安兵衛さんらが焦って討ち入りを急ぐのではないかと心配になり、その動きを制するために堀部弥兵衛さんに手紙を出しました。
 その内容は次のようなものです。

 「討ち入りするには、浅野大学さんの様子も少しは知っておきたい。大学さんの安否の結果がない段階での討ち入りは本意ではない。あなたは経験豊かであるから詳しく指図を決めていると思う」

 「以前から言っている通り、討ち入りするには地形は勿論木柱までも念には念を入れたい。下手な大工ども(安兵衛さんら)の考えで、手間を惜しんで事を急ぐような粗末なことはしたくない」
 「隠居(上野介さん)が気ままで米沢に行ったら、若旦那(義周さん)にとくと申し込むまでだ」
 下手な大工(安兵衛さん)がなんと言おうと、幕府に大学さんの安否を確認したいと思っている。このことを何回も言って納得させて欲しい」
史料

 「下手な大工共いか様に進め申し候共、奉行衆へとくと申し談じ候上と存じ候間、下手な大工衆へとくと此の段幾重にも御のみこまし成さるべく候」

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