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エピソード

010_01

古墳文化の発展(前方後円墳、竪穴式石室、横穴式石室、群集墳)
 現在でも、権力や権威・地位を誇示するために、豪壮建築を建てる例はたくさんあります。時々、TVを見ていると、有名なタレントが、若いにもかかわらず、豪邸を建てて、それを見せることがあります。
 多くの人は、それを見て、「凄く稼いでいるんだろーな」と感心するでしょう。戦国時代の巨大な城も同じ心理で造られ、同じ心理で見ていたのだろうなと思います。
 古墳時代の大きな塚(墓)も同じだろうと想像します。
 古墳時代は、墓の大きさによって3期に分けています。
(1)丘陵を利用した円墳・方墳・前方後円墳時代を前期といいます。
(2)平地に膨大な盛り土をした巨大な前方後円墳時代を中期といいます。
(3)地方に前方後円墳・群集墳が作られた時代を後期といいます。
時期(世紀) 分布 立地 形態 内部構造 副葬品
前期 3後〜4後 畿内・瀬戸内 丘陵 円墳・方墳・前方後円墳 竪穴式石室 司祭者的宝器
中期 4末〜5 全国 平野 巨大な前方後円墳 竪穴・横穴式石室 軍事的武器
後期 6〜7 全国 山間 群集墳・前方後円墳 横穴式石室 日常生活用具
前期 福島県の大塚山 奈良県の纏向石塚 奈良県の箸塚 岡山県の湯迫車塚
中期 宮城県の雷神山 大阪府の大仙陵 大阪府の誉田御廟山 宮崎県の西都原
後期 埼玉県の吉見百穴 奈良県の新沢千塚 和歌山県の岩橋千塚 福岡県の岩戸山
墓は富と権力の象徴
 これは最近私が体験した話です。知人の通夜や葬式に行ったときのことです。シキミの数が多かったり、祭壇が大きかったり、坊さんの数が多かったりすると、「えらいさんだったんだね」という話をよく聞きます。親戚の墓参りをした時も、墓地の中で一際大きな墓を見ると、「あれは誰の墓?」「●●さんの墓よ」「ふーん、立派な人だったんだね」という会話が弾む。
 お金が沢山必要なことは言うまでもありませんが、何で得たお金かはこの際問題になりません。生活に余裕が出てくると、墓や仏壇にお金が使われるようになります。使う側の論理からすると、「あの人の墓よりは大き目」という心理が働きます。
 つまり墓や仏壇は富と権力の象徴です。仏壇は外部の人には日常目に触れることがありません。いきおい墓にエネルギーが費やされます。

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