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エピソード

023_01

律令の完成T(二官・八省・一台・五衛府の覚え方)
 唐は律令によって全国を統一し、新羅も律令によって半島を統一しました。
 当然日本でも、ついに、律令が採用され、完成しまた。
 その経過と内容を見てみましょう。
名称 制定年 天皇 編纂者 備考
近江令 668年 天智 中臣鎌足・高向玄理 律なし。施行の否定説あり。現存せず
飛鳥浄御原令 681年 持統 草壁皇子 律は不明。現存せず
大宝律令 701年 文武 刑部親王・藤原不比等 『令集解』・『続日本紀』に一部伝存
養老律令 718年 孝謙 藤原不比等 令は大半、律は一部伝存
 二官とは神祗官太政官の2つです。神祗という文字から分かるように神社全般を扱う役所です。太政官も文字から推測できるように政治に関する役所です。
 八省とは中務・式部・治部・民部・兵部・刑部・大蔵・宮内の8つの省から構成されています。漢字は表意文字です。文字からその役所の仕事が殆ど推測できます。式部は儀式や人事、民部は民政や租税、兵部は兵に関すること、刑部は刑罰や裁判、大は財政、宮内は宮中の事務です。文字から推測できない場合は、暗記するしか方法がありません。ここでは2つの役所で、中務は詔書の事務、治部は外交事務です。
 一台弾正台のことです。正しく糾弾すると言う言葉から推測されるように、警察の事です。
 五衛府とは5つの衛(まも)る役所のことです。近衛という言葉は天皇の近くを衛ということです。それから推測されるように、宮内・宮中を衛るということです。
 衛門府左衛士府右衛士府左兵衛府右兵衛府で構成されています。江戸時代の名前の左兵衛、右兵衛はここからきています。
表意文字から学ぶ歴史用語(T)
 日本史は暗記の学問だと思っている生徒が多いです。しかし、漢字は表意文字ですので、歴史用語は意を表す文字で出来ているので、文字から推測すると、かなりの確率で答えが用意されていることが分かります。
 その歴史用語も当時からあった場合もあれば、明治以降、学者が造語した場合もあります。この場合も、勝手に学者が造語したのでなく、史料の一部を利用しているので、史料を丹念に読解すると、ここでも答えを拾うことが出来ます。

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