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エピソード

034_02

桓武天皇の政治V(表意文字で覚える令外官)
 令外官とは時代の変化に応じて、律の規定以に設定されたのことです。
 按察使とは、管内の国司をおさえつけ()、すみずみまで清くする(使いという意味です。
 健児の制とは農民の窮乏により農民により構成されていた軍団の質が低下したために、代わって設置された制度です。地方の裕福で、出世欲もある、康な郡司の次・三男()を地方の治安維持にてるさせる制度です。建と健との違いに気をつけましょう。
 征夷大将軍は蝦(中央に服属しない人々)を伐する将軍の中の将軍のことです。
 勘解由使とは国司が引継ぎの時に渡す解由状に不正がないか定(審査)する使いです。勘定の勘とは「考える」とか「つきあわせる」という意味を持っています。
 監察使とは、畿内に1人・七道に7人計8人設置し、全国の国司・郡司を監察する使者のことです。
 蔵人所とは(かくす、しまう)の仕事をするがいるという意味です。「かくす」から転じて秘密の文書を取り扱う所となり、のち、天皇の側近で衣食住の世話をしたり、臣下の奏上を取り扱う役所を意味するようになりました。蔵人頭とは、その蔵人所のヘッド、長官、つまりということになります。
 検非違使非違査する使いです。非違とは非行や違反のことで、治安を乱すこと。検査の検は調べるという意味です。
 摂政とは、天皇が幼少か女帝の時、務を代わってり行うという意味です。
 押領使の押領の押とは「手+音符甲」で、外からかぶせておさえること、領は「頁(あたま、くび)+音符令」で、すっきりときわだったくびすじこと、つまり押さえつけて綺麗にするという意味です。押領使とは、地方の内乱・盗賊などをさえつけ、逮捕する()する使者という意味です。
 関白とは、天皇が成人後も、政務の全てにわり(もう)すという意味です。
 ここでまとめて、年代順に令外官を調べました。
設置 令外官 天皇 内容
705 中納言 文武 言と少言の間にあって、宣下・上奏を取り扱う。
708 鋳銭司 元明 皇朝十二などを造する
709 按察使 元正 管内の国司を監督する(上掲)
729 鎮守府将軍 聖武 蝦夷を鎮守する(拠点)の将軍です
731 参議 聖武 定員8人の公lで、太政官会議に加して政務をする
749 紫微中台 孝謙 天皇の大権を代行する役所である(中国の官職)
771 内大臣 光仁 左・右大臣の次席で、府の大臣です
794 征夷大将軍 桓武 蝦夷征討のための臨時の将軍である(上掲)
797 勘解由使 桓武 国司交替時の事務引継ぎ文書(解由状)を検査する(上掲)
806 監察使 平城 全国の国司・郡司を監察する(上掲)
810 蔵人頭 嵯峨 詔勅・宣旨・機密事項を取り扱う長官です(上掲)
816 検非違使 嵯峨 京都の治安・維持を担当する役人です(上掲)
858 摂政 清和 天皇が幼少か女帝の時、政務を代行する(上掲)
878 押領使 陽成 地方の内乱を鎮定し、盗賊などを逮捕する(上掲)
884 関白 光孝 天皇を補佐し、天皇より先に奏上を一覧する(上掲)
932 追捕使 朱雀 盗賊・凶賊を跡・逮する使者です。
歴史用語はほとんど体験で理解できる
 以上のように、勘解由使の勘は考えるという意味ですし、蔵はかくす、つまり秘密のことですし、検非違使の検は調べるということです。
 日常的に使われています。よく注意すれば、答えはどこにでも落ちています。
 令外官の一覧表を見ても、不正を取り締まる官職が増えているのがよく分かります。取り締まるべき人が不正をするのですから、いくら官職を増やしても追いつきません。
 それに同調して、歴史の教科書も年々増えていって、勉強が追いつきません。

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