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エピソード

035_02

弘仁・貞観文化U(三筆と三蹟の覚え方)
 唐風の力強い筆跡の三人を三筆といいます。唐の影響を基礎にしながら、優美流麗な和風の筆跡を三蹟といいます。
 唐風や和風の雰囲気は、図説の写真で確認し、自分で納得するのが一番です。
 三筆は嵯峨天皇橘逸勢空海の三人です。三蹟は小野道風藤原佐理藤原行成の三人です。
 嵯峨天皇の国宝『光定戒牒』、橘逸勢の『伊都内親王願文』、空海の国宝『風信帖』が有名です。
 小野道風の『風土代』、藤原佐理の国宝『離洛状』、藤原行成の国宝『白氏詩巻』が有名です。
 2つのグループですから、1つのグループを確実の覚えれば、残りは自ずと決まってきます。ではどうするか。それが問題です。私は空海のエピソードに「弘法(大師)の筆の誤り」や「弘法は筆を選ばず」のに注目します。つまり空海グループが「筆」、つまり三筆グループとなるのです。「弘法(大師)の筆の誤り」を思い出すのに少し時間がかかるかもしれませんが、このエピソードを知らない人はいないと思います。
連想ゲームで覚える方法
 連想ゲームで覚える方法はとても面白い。その人の個性も出てきます。
 既に、土師器と須恵器を習いましたね。センターテストや各大学の入試問題に、弥生土器の系譜をひくのは、どれかという質問がありました。私は生徒に須恵器は「スエ」器と呼ぶ。陶は「スエ」と呼ぶし、「トウ」とも呼ぶ。陶器のふるさとの「唐」でもある。須恵器は、だから大陸から来た器です。残りの土師器が弥生系ですと説明したことがありました。写真と共に説明すれば、明快です。
 ややこしい説明でしたが、卒業生の話から「その発想」をほめられた(?)ことがあります。本当はけなされていたのかもしれませんが、卒業後もその内容が話題になるのですから、私の作戦も成功ということでしょうか。

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