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エピソード

079_02

室町幕府の組織と財政(その覚え方)
 室町幕府は守護領国制(守護大名が作り上げた支配体制)の上に成り立っています。
 中央には、管領(将軍の補佐役で、政所・侍所を統括)をおきました。管領には、足利氏一門の三家(細川氏・斯波氏・畠山氏)が任命されるので、三管領といいます。
 政所は、財を扱うです。
 侍所は、を統括するです。侍所には、有力守護大名の四家(赤松氏・一色氏・京極氏・山名氏)が任命されるので、四職といいます。
 地方には、鎌倉府(鎌倉に置かれて小幕)をおいて関東10カ国を支配させました。その長官が鎌倉公方(公方は天皇または将軍のこと。鎌倉将軍)で、足利基氏(父が尊氏)が初代の鎌倉公方となりました。その執事が関東管領(関東管領)で、その地位は代々上杉氏が世襲しました。上杉氏については、『「エピソード日本史』「足利高氏はどんは人?」を参照してください。
 九州には、九州探題(探題は本来仏教用語で、僧の能力判定や僧階決定をする役僧のことです。ここでは九州地方の守護を探題統制する役職です)を設置しました。
 奥州には、奥州探題(奥州の守護を探題統制する役職)を設置しました。
 羽州には、羽州探題(羽州の守護を探題統制する役職)を設置しました。
 財政では、御料所(御は天皇や将軍。料は米と斗=マスで、穀物のこと。所は場。直轄領)が基本になっています。
 それ以外では、倉役(高利貸し業者のにしまってある質物の数に課税する夫=税)や酒屋役(醸造酒屋の醸造容器である壷の数に課税する夫=税)があります。
 また、関銭(所で徴収する通行税の)、段銭(田畑の別に徴収する臨時税の)、棟別銭(家屋の数に応じて戸に徴収する家屋税の)、分一銭(徳政令の公布にあたり、債務者・債権者から債務・債権の5を上納させ、債務の破棄または債権の確認をするときに使った銭)などがありました。
歴史用語は、辞書と表意文字で覚えましょう
 今まで何回か、歴史用語を、表意文字で覚えることをやってきました。そういえば、私の高校時代、机上に「字源」のような漢和辞典がありました。意味が分からないと、やたら辞書を開いたものです。
 大分以前の話です。授業から戻った私の机上に、珍しい柑橘類がありました。旅行の土産だと分かったのですが、名前が「ネーブル」といいます。その名前のいわれが知りたくて、あちこち聞いたのですが、誰も知りません。「ネーブル回して食べるのかな?」なんて冗談を言いながら、英語の辞書を引きました。ちゃんとありました。スペルは「navel」で、意味は「へそ」です。そういえば、ネーブルの真ん中の形は臍に似ていました。それで、大笑いしたものです。
 TVが、電気屋さんで放映された時のことです。
 アナウンサーが力道山のプロレスを実況していました。「ニードロップ」だとか「ヘッドシザーズ」と言ってました。ドロップは、野球でも「落す」という時に使います。
 ヘッドも頭ということは知っていました。「ニー」は「knee」(膝頭)で、「シザーズ」は「scissors」(鋏)のことです。そういえば、飛び降り際に、膝頭を使って、相手を殴っていました。また、相手の頭を、自分の両足で鋏のようにはさんでいました。
 日常、周囲にごろごろしている物を、辞書を引いて調べるのも、余裕があって、楽しいものです。
系図の見方(有力御家人、三管領、四職、将軍)
源義親 為義 頼朝 実朝
源義範(山名氏)
源義国 義重 ……………………………………………………… 新田朝氏 新田義貞
源義純(畠山氏) 源家氏(斯波氏)
源義顕(渋川氏)
源頼茂(石塔氏)
源公深(一色氏)
義康 義兼 義氏 泰氏 頼氏 家時 足利貞氏 足利尊氏 義詮
義清 義実 源実国(仁木氏) 基氏
源義季(細川氏)

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