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戦国大名の分国支配(自分の言葉で語る) | |
1 | 下剋上の戦国時代にあって、生き残りの戦術は「富国強兵」政策です。富国とは経済力のことで、強兵は軍事力のことです。つまり、経済力を高めて、その力で軍事力を維持するということです。 |
2 | まず、経済力を高めるためにしたことは、領国経営の合理化です。 (1)領内の田畑の面積・収入を自己申告させました。これを指出検地(間接的検地)といいます。有名なのが斉藤道三や織田信長です。一気に、太閤検地のような直接的検地は、抵抗が強すぎて出来ませんでした。しかし、中間搾取が不可能となり、荘園制が解体しました。 |
3 | (2)農商工業の発展にも尽力しました。 武田信玄は、信玄堤を作って、水害で耕作不可能とされた土地を新田化しました。今までは、輸入した綿花を兵衣や鉄炮に使っていましたが、三河では綿花を栽培しています。 佐渡・越後金山を支配した上杉謙信、甲斐金山を支配した武田信玄、石見大森銀山を支配した毛利元就、但馬生野銀山を支配した豊臣秀吉に見るように、鉱山を制する者は、戦国を支配することが分かります。 自由な商品取引を保障するために、楽市・楽座の制を設けています。また、商品の流通を円滑にするため、関所を撤廃しています。 |
4 | 最後は、やなり人間の支配です。 (1)領国経営の軍事・政治・経済・外交・文化の中心として形成されたのが城下町です。支配のシンボルであり、権威の象徴でもあります。 城下町は、海や川や山という自然を利用し、その他は、人工的に武家町や寺町を作って要塞化しました。 生産地から切り離すために、農民的な武士を城下町に集住させ、サラリーマン化した武士にしました。色々なサラリーマンと話す機会がよくありました。リストラが打つ続くと、「君は会社にとって必要ない」などの人間性を否定する罵声が、上司から飛んでくるらしい。家で商売していたり、農業をしている人は、傷つく前に退社するが、サラリーしか収入の道のない人は、ただひたすらその「悪罵」に絶えるしかないという話でした。 |
5 | (2)武力だけでは、人間は制圧できません。そこで、宗教や法律が支配の補完の役目をします。それが分国法・家法・壁書といわれるものです。 その代表的なものに、喧嘩両成敗(私闘の禁止)があります。そのほか、結婚の許可制、長子単独相続など、支配者に都合のいいような法律があります。 これに違反すると、鋸引き・火あぶり・車裂き・串刺し・釜ゆでなどの残酷な刑罰に処せられます。しかもその罪は、本人のみならず親族や親戚にも累を及ぼす縁座の制が採用されていました。 |
戦争は、生死をかけたスポーツ | |
1 | 戦争は、よくありません。しかし、戦争は、生死をかけたスポーツとも表現されます。勝つためにはあらゆる手段を駆使します。敵の情報をあらゆる方法で入手します。最後に、徹底的に、彼我の戦力を分析します。そして、さまざまの対応策を採用します。そういう点では、戦争もスポーツも共通しています。決勝戦など「戦」の文字が使用されています。 ただ、スポーツにはルールがあります。負けても、次があります。しかし、戦争にはルールがありません。 負けても、次がありません。それだけ、厳しいスポーツなのです。 |
2 | 私は、「財閥系とか老舗が違法なことをするはずが無い」と信じてきました。、以前は、そのことが実証されてきました。また、「信用を得るには時間がかかるが、信用を失うには時間はかからない」とも信じていました、 しかし、最近は、財閥系とか老舗も、どんどん、金儲けのために、信じられないことを「しでかす」。日本沈没という夢を見ます。私は、経営者ではないので、その人の気持ちが分かりません。新聞沙汰になる問題を起こした人の会見を読むと、悲しいほど経営哲学が欠如していることに気がつきます。 経営を心がける人は、生き残りに掛けた戦国大名の、心意気、アイデアを学んで欲しいと思います。楽して金儲けするのでなく、新しい発想をどんどん取り入れています。自らの人もいれば、部下から募集する方法もあります。 |
3 | 経営者でもある戦国大名の戦略で一番重要なのは、人間の管理です。庶民は、自分の子供に膨大な教育費を注ぎ込んでいます。しかし、国や地方自治体は、削りやすところから削っています。それが、教育に来ています。いずれ日本の柱になる子供たちの育成にお金を惜しんでは、必ず仕返しが来ます。いや、すでに、不登校や離職率、フリーター、ニートなどで仕返しを受けています。 企業では、成果主義とか実力主義という美名のもとで、厳しい労務管理が横行しています。評価する側が「ごますり」人間では、評価される人間の心がずたずたに引き裂かれています。こういう企業に明日の未来はありません。管理しながら、やる気の人を育てるという視点が、発展する企業です。 戦国大名の人間管理は、戦国時代に通用する内容です。しかし、人間の管理が最大の要素と位置づけた考えは今も、生きています。 |