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エピソード

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化政文化T(国学の発達、荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・平田篤胤)
 国学とは、日本問ということで、日本の古典を研究し、民族精神の究明に努めようとする学問の意味です。
 元禄時代、国学の先駆という古典の研究が始まりました。
 僧契沖は、『万葉代匠記』を著して、万葉集を道徳的に解釈する説を排斥しました。
 幕府の歌学方である北村季吟は、源氏物語の注釈書である『源氏物語湖月抄』を著して、私たちが今読んでいる原型を提示しました。
 戸田茂睡は、『梨本集』を著して、古今伝授・制の詞などの拘束を排斥しています。
 18世紀前半、『古事記』・『日本書紀』の研究が進み、国学に発展していきました。
 享保時代、儒学が御用学問として形式化していったのに対して、新しい学問が勃興しました。それは、自由な研究が活発化し、批判的精神が強い内容でした。その中から、日本の古典を見直す動きが出てきました。
 京都の伏見稲荷の神主である荷田春満は、『創倭学校啓』を著して、古語・古典研究の大切さを主張し、外来思想の排斥を呼びかけました。彼は、羽倉斎として、大石内蔵助に吉良上野介の在宅日を知らせるなど、忠臣蔵に重要な働きをしています。
 宝暦時代、荷田春満の門人で、遠江の神官である賀茂真淵が出ました。彼は、『万葉集』を研究し、外来思想(儒仏)の影響をうける以前の古代人の生活や思想(古道=「ひたぶるに直かった」)に復帰することを主張しました。儒学の批判は、封建道徳からの人間感情の解放を意味することも指摘しました。
 賀茂真淵は、万葉集の注釈である『万葉考』を著しました。『国意考』を著して、儒仏が渡来する以前の日本人の精神を追求しました。国意とは、儒仏の影響をうけない純粋固有の日本古代の道の意味です。
 賀茂真淵の門人に、新古今調の村田春海や『万葉集略解』を著した加藤千蔭がいます。
 寛政時代、伊勢松坂の医者である本居宣長は、『古事記』の注釈書である『古事記伝』を著し、『直毘霊』と題して発表しました。本居宣長は、「古道」とは「神のつくりたまえる道」と解釈しています。
 本居宣長は、『玉勝間』や『秘本玉くしげ』を著して、『記紀』(『古事記』と『日本書紀』)を、そのまま信じることを主張しています。
 幕末、本居宣長の弟子である平田篤胤が出ました。平田篤胤は国史・国文・国語を考証的に研究し、儒仏は排斥して、神道思想を強化して行きました。
 平田篤胤は、国学から文学的要素を排除して、日本中心の復古神道を大成しました。
 平田篤胤の随神道(かんながらのみち)の主張は国粋主義として現実化しました。ペリーの開国以来、民族主義は高揚すると、豪農らは、篤胤の国粋主義を支持しました。やがて、篤胤の門人らは、机上の学問から出て、実践的な運動を展開するようになりました。
 荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・平田篤胤、この4人を国学の四大人といいます。
感想
 私は、今流行の、予備校的受験のテクニックは、歴史を学ぶものにとって邪道だと思っています。
 ただ、日本史の文化と国語の古典とは、相乗する教科と指摘しています。この指摘をすると、生徒はびっくりした表情をします。別々にとらえていたようです。
 日本史の問題も古典の問題も、勉強していれば、必ず範囲内にあるのです。現代文は範疇外ですから、新聞、特に社説を読むことを勧めています。
 平田篤胤の影響で、国学は日本中心の復古主義・民族主義へと発展し、欧米人が日本に上陸すると、排他的な攘夷思想と結合して行きました。 
 私の部活指導歴は、圧倒的に女子部が多いのです。私の体験では、女子の部員は、すぐグループを作る傾向があります。放任しておくと、グループが派閥化して、部活に影響を及ぼします。
 そこで、私は人間的には優しく、指導は厳しくしています。特に、リーダー的な生徒を厳しくしごきます。すると、派閥を作るエネルギーは指導者へのエネルギーに集約されます。これでチームが強くなります。優れたチームは、外圧がなくても、生徒自身の内部からまとまっています。
 この理論は、政治の世界でよく利用されます。国内に政治的不満があると、政治家は、外圧を作為的に捏造します。
最近、アメリカの大統領ブッシュがよく使う手法ですので、あまり効果がなくなってきていますが…。
 最近、TVに登場する評論家が、大声で「だまっとれ!!」とか「●●さんは、■■だから」とか、恫喝と揶揄する場面が多くなりました。中国を根拠なく悪評する人も多くなりました。これが視聴率を稼いだり、大衆に支持を受けるのでしょうか。悲しいことです。
 そんな風潮の中でも、淡々と、冷静に対応している学者もいます。学識は高く、知識は深く、相手をじゅんじゅんと説得していきます。
 美しい花にはトゲがあり、嬉しい言葉には裏があり、勇ましい言葉には、弱みを隠す毒があります。
 日本の政治家も、以前、「ソ連・中国脅威論」を持ち出して世論を誘導したことがありました。
 今(20005年4月)は、中国の指導者が、世論を誘導して、日本タタキを行っています。しかし、日本と中国との関係は、アメリカを抜いて、貿易額は1位です。共に欠かせないパートナーです。
 状況を正しく、冷静に、判断する情報を得たいものです。

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