ごあいさつ
第十七回は青木書店
宮澤誠一著『近代日本と「忠臣蔵」幻想』(T)
真正面から取り組んだ本格的忠臣蔵論 忠臣蔵研究者も注目 1996(平成8)年である。毎月14日に忠臣蔵 新聞などを掲載してきて今回で204号を数え る。お陰で色んな方からメールが届く。多い時 には30通になるときもある。少ないときでも毎 日1通はある。IT革命の恩恵を受けていると実 感している。 そんな中で、最近出版された忠臣蔵関係の 書物の傾向・特徴はどんなものかという問い合 わせもあった。今回取り上げたのは、忠臣蔵 研究で欠落していた近代に真正面から取り組 んだ本格的な忠臣蔵論である。私にとっても 初見なデータもあり、発行年をはっきり記述し ている著者と署名を数回にわたって紹介し、 その後感想を述べたい。 紹介するデータはこの本で記述されている 順なので、発行年は年次順ではない。 |
章 | 番号 | 編著者など | 書名・演劇名 | 発行年 |
第 一 章 啓 蒙 思 想 の 洗 礼 ・ ・ 文 明 開 化 と 民 権 運 動 |
001 | 鍋田晶山 | 赤穂義人纂書 | 1851年頃 |
002 | 内海定治郎 | 真説赤穂義士録 | 1933年 | |
003 | 青山延光(藤田東湖序文) | 赤穂四十七士 | 1851年 | |
004 | 岩崎英重 | 維新前史 桜田義挙録 | 1911年 | |
005 | オールコック | 大君の都 | 1863年 | |
006 | 宍戸 環 | 長防臣民合議書 | 1865年 | |
007 | ミットフォート | 旧い日本の物語 | 1871年 | |
008 | 林 鶴梁 | 烈士喜剣伝 | 1868年 | |
009 | ディッキンズ | 忠臣蔵または忠義連盟 | 1875年 | |
010 | 明治天皇 | 勅語 | 1868年 | |
011 | 高須梅渓 | 随筆 赤穂浪士 | 1937年 | |
012 | 河竹黙阿弥 | 名大星国字書筆 | 1869年 | |
013 | 河竹黙阿弥 | 四十七刻忠箭計 | 1871年 | |
014 | 沢村座 | 讐怨解雪赤穂記 | 1874年 | |
015 | 渥美清太郎 | オール義士劇外題(演藝画報) | 1938年 | |
016 | 河竹新七 | 忠臣蔵年中行事 | 1882年 | |
017 | 福沢諭吉 | 学問のすゝめ第六編 | 1872年 | |
018 | 植木枝盛 | 赤穂四十七士論 | 1879年 | |
019 | 田口卯吉 | 日本開化小史 | 1877年 | |
020 | 斉藤修一郎・エドワード=グリーイ | 忠義浪人 | 1880年 | |
021 | 斉藤修一郎 | 『いろは文庫』の英訳(日本及日本人) | 1910年 | |
022 | 前田正名 | 日本美談 | 1880年 | |
023 | 佐橋富三郎 | 大日本誠談 | 1928年 | |
024 | スティーブンスン | 忠臣蔵 | 1882年 | |
025 | 内村鑑三 | 『大和魂』の道徳的特徴 | 1886年 | |
026 | 師範学校 | 日本略史 | 1876年 | |
027 | 笠間益美 | 新編日本略史 | 1881年 | |
028 | 内田嘉一 | 小学読本・中等科 | 1885年 | |
029 | 絵本 赤穂義士銘々伝 | 1884年 | ||
030 | 柳葉亭繁彦 | 赤穂美談 雪之曙 | 1885年 | |
031 | 仙珪和尚 | 大石神社創設之儀願 | 1883年 | |
032 | 小野辰太郎 | 赤穂義士真実談 | 1896年 |