ごあいさつ
第十八回は青木書店
宮澤誠一著『近代日本と「忠臣蔵」幻想』(U)
真正面から取り組んだ本格的忠臣蔵論 忠臣蔵研究者も注目 1996(平成8)年である。毎月14日に忠臣蔵 新聞などを掲載してきて今回で206号を数え る。お陰で色んな方からメールが届く。多い時 には30通になるときもある。少ないときでも毎 日1通はある。IT革命の恩恵を受けていると実 感している。 そんな中で、最近出版された忠臣蔵関係の 書物の傾向・特徴はどんなものかという問い合 わせもあった。今回取り上げたのは、忠臣蔵 研究で欠落していた近代に真正面から取り組 んだ本格的な忠臣蔵論である。私にとっても 初見なデータもあり、発行年をはっきり記述し ている著者と署名を数回にわたって紹介し、 その後感想を述べたい。 紹介するデータはこの本で記述されている 順なので、発行年は年次順ではない。 |
章 | 番号 | 編著者など | 書名・演劇名 | 発行年 |
第 二 章 近 代 義 士 観 の 成 立 ・ 近 代 史 学 と 忠 臣 蔵 |
033 | 重野安繹 | 赤穂義士実話 | 1889年 |
034 | 幸田露伴 | 奇男児 | 1889年 | |
035 | 山路愛山 | 独語(『女学雑誌』) | 1891年 | |
036 | 山路愛山 | 大石内蔵助(『国民之友』) | 1893年 | |
037 | 北村透谷 | 復讐・戦争・自殺(『平和』) | 1893年 | |
038 | 原 抱一庵 | 大石良雄 | 1892年 | |
039 | 雨谷一菜庵 | 大石良雄 | 1897年 | |
040 | 福地源一郎 | 赤穂義士 | 1902年 | |
041 | 信夫恕軒 | 赤穂義士実談 | 1902年 | |
042 | 新渡戸稲造 | 武士道 | 1899年 | |
043 | 井上哲次郎 | 日本古学派之哲学 | 1902年 | |
044 | 山路愛山 | 独立評論 | 1903年 | |
045 | 山県悌三郎 | 小学校用 日本歴史 | 1888年 | |
046 | 検定歴史教科書 | 小学国史 | 1900年 | |
047 | 桃川如燕 | 二十三品義士の遺物 | 1893年 | |
048 | 講談速記本 | 講談忠臣蔵 | 1899年 | |
049 | 講談速記本 | 義士講談 雪の梅 | 1900年 | |
050 | 福地源一郎 | 実録忠臣蔵 | 1890年 | |
051 | 福地源一郎 | 芳哉義士誉 | 1901年 | |
052 | 坪内逍遥・綱島梁川 | 仮名手本忠臣蔵(『近松之研究』) | 1900年 | |
053 | ラフカディオ・ハーン | 神国日本 | 1904年 |