ごあいさつ
第十九回は青木書店
宮澤誠一著『近代日本と「忠臣蔵」幻想』(V)
真正面から取り組んだ本格的忠臣蔵論 忠臣蔵研究者も注目 1996(平成8)年である。毎月14日に忠臣蔵 新聞などを掲載してきて今回で207号を数え る。お陰で色んな方からメールが届く。多い時 には30通になるときもある。少ないときでも毎 日1通はある。IT革命の恩恵を受けていると実 感している。 そんな中で、最近出版された忠臣蔵関係の 書物の傾向・特徴はどんなものかという問い合 わせもあった。今回取り上げたのは、忠臣蔵 研究で欠落していた近代に真正面から取り組 んだ本格的な忠臣蔵論である。私にとっても 初見なデータもあり、発行年をはっきり記述し ている著者と署名を数回にわたって紹介し、 その後感想を述べたい。 紹介するデータはこの本で記述されている 順なので、発行年は年次順ではない。 |
章 | 番号 | 編著者など | 書名・演劇名 | 発行年 |
第 二 章 近 代 義 士 観 の 成 立 ・ 義 士 物 ブ |
054 | 吉田奈良丸 | 大高源吾(レコード) | 大正初め |
055 | 忠臣蔵(映画) | 1907年 | ||
056 | 牧野省三 | 忠臣蔵(映画) | 1910年 | |
057 | 牧野省三 | 実物応用活動写真 忠臣蔵 | 1912年 | |
058 | 塚原渋柿園 | 大石良雄 | 1904年 | |
059 | 塚原渋柿園 | 武徳ある人(『日本及日本人』) | 1910年 | |
060 | 芳賀矢一 | 国民性十論 | 1907年 | |
061 | 芳賀矢一 | 日本人 | 1912年 | |
062 | 芳賀矢一ら | 第二期国定教科書『尋常小学校』 | 1910年 | |
063 | 福本日南 | 元禄快挙録 | 1908年 | |
064 | 川島令次郎 | 四十七義士に関する感慨(『義士精神』) | 1939年 | |
065 | 三田村鳶魚 | 元禄快挙別録 | 1910年 | |
066 | 足立栗園 | 先哲 赤穂義士評論 | 1910年 | |
067 | 政教社 | 四十七名士之四十七義士観(『日本及日本人』) | 1910年 | |
068 | 東亜協会 | 赤穂義士号(『東亜之光』) | 1910年 | |
069 | 大町桂月 | 四十七士 | 1910年 | |
070 | 南茂樹 | 古今四十七大家評註 仮名手本忠臣蔵 | 1911年 | |
071 | 北原白秋 | おかる勘平(『歌舞伎』) | 1910年 | |
072 | 久米邦武 | 赤穂義士に就いて | 1892年 | |
073 | 第三期国定教科書 | 大石良雄 | 1921年 | |
074 | 夏目漱石 | 吾輩は猫である | 1905年 | |
075 | 夏目漱石 | 私の個人主義 | 1914年 | |
076 | 夏目漱石 | 真のナチュラリズムの文学(『信濃教育』) | 1911年 |