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ごあいさつ
第三十一回は学習研究社
『元禄赤穂事件-将軍綱吉と「忠臣蔵」四十七士-』

ブロードバンド(光ファイバー)の時代
もう一度、ビデオ撮影の旅へ
先ずデスクワークから
指針になる諸先輩の本をひも解く
そしてフィールドワークへ
 私はこの欄の第四回目に、司波幸作氏の『元禄忠臣蔵の舞台』(←ここをクリック)を紹介しました。その本は、今も私たち夫婦に全国の義士関係の史跡巡りという大きな生きがいを与えてくれた1冊の本です。
 そこでも書きましたが、この本のガイドとして優れているのは、苦労して現地を取材していることである。北は岩手県一関市の祥雲寺に行っては「浅野内匠頭供養塔」を撮影している。
南は鹿児島県鹿児島市に行っては西郷隆盛が郷中教育の教材に利用したという「赤穂義士伝」を撮影している。
 忠臣蔵史蹟めぐりの色々な本を読むうちに、見たり、読んだりした人のためになる自分らしさのガイドブックが作りたくなった。既に「史跡忠臣蔵」の引き上げルートの部(←ここをクリック)では実施しているが、もう一度諸先輩の本をゆっくりと紹介しながら、何が必要かを検証したいと思います。
 その第31回目に選んだのが、学研の定評がある「歴史群像シリーズ(57)」です。。
 有名な歴史上の人物や事件は網羅されているのに、56回まで忠臣蔵が取り上げられなかったのが、不思議なくらいです。待望の書ということになります。 
立体模型再現
(1)「松之大廊下」(江戸東京博物館蔵)
(2)「赤穂城」(赤穂市立歴史博物館蔵)
赤穂と赤穂近辺
(1)追手門と隅櫓
(2)大石内蔵助邸長屋門裏手
(3)内蔵助邸の庭園(大石神社内)
(4)息継ぎ井戸
(5)姫路城
京都
(1)一力亭・一力亭入り口・廊下・玄関先
東京とその周辺
(1)湯島聖堂大成殿
(2)川越
(3)甲府城
(4)六義園
(5)松之廊下跡の碑
(6)護国寺
(7)大高源五句碑(両国橋袂)
(8)本所松坂町跡の碑
(9)田村右京大夫屋敷跡の碑
(10)芝増上寺
(11)江戸城平川門
(12)浅野内匠頭の墓(泉岳寺)
(13)内匠頭の血染めの梅と石(泉岳寺)
(14)吉良邸跡
(15)吉良家の墓(万昌院功運寺)
(16)妙海尼の墓(泉岳寺)
(17)南部坂
(18)泉岳寺
(19)首洗い井戸
(20)細川邸跡
(21)赤穂義士の墓
(22)浅野大学の墓(泉岳寺)
(23)紀文屋敷跡(清澄庭園)
吉良
(1)上野介墓(華蔵寺)
(2)黄金堤の碑
米沢とその周辺
(1)色部又四郎の墓(千眼寺)
(2)赤穂事件殉難者供養碑(米沢城)
(3)大野九郎兵衛供養碑(板谷峠)
長野
(1)吉良義周の墓(諏訪市法華寺)
松坂
(1)三井家屋敷門
日光
(1)日光東照宮
最後に「追録」があります
(1)赤穂浪士の評価(細川屋敷跡、大石神社の内蔵助討入り像、寛永寺の徳川綱吉霊廟の勅額門)
(2)忠臣蔵の劇化上演(泉岳寺の「いろはかな」の碑)
この書のよい点
 立体模型で松之廊下や赤穂城が見ることが出来る。あちこちの博物館でも、建物や、地形図などが立体模型にして展示されるようになった。歩いては、点と線しか、見えない。しかし、立体模型は、鳥になって見るように俯瞰(あるいは鳥瞰)出来るのが嬉しい。
 史料が当時の文書のまま掲載されているのが、いい。
 地図が多いのが、いい。
 色々な統計があるのが、いい。
この書の問題点
 この書は、紀行文でないので、コメントのしようがありません。
 学研の歴史群像のスタッフが、紀行文とかガイドブックに取り組んで欲しい。

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